網棚

混んでいる電車に乗った時、車内の立ち位置は大きく5つの身分に分かれると思う。

まず、最上位に君臨するのが座席に座れた人だ。言うまでもなく、立っているより座っている方が楽だし、混んでいてもギュウギュウと押されることもなく、寝ることだってできる。だから毎日、多くの人々が電車の座席に座れることを願っている。ちなみに椅子の中でも、「端の方が良い」とか「優先席は譲らなきゃならないからマイナス」とかあるかもしれないけど、ここでは割愛する。

次に良いのは、座席の正面のつり革に掴まれた人じゃないかな。まず、つり革に掴まれるので電車の揺れに翻弄されることがなく、足腰も疲れにくい。荷物は網棚に乗せることができるし、更に座席に座れるチャンスがあるというのが大きい。ここに位置するポジションの人々は、常に最上位の座席組になる、いわゆる下剋上のチャンスを持っているのだ。

その次は、ちょっと悩むけど、通路の真ん中辺りかな? 要するに、両方の座席のちょうど中間のところね。ここはつり革に掴まれないことも多いし、前にも後ろにも人がいて狭いけど、満員電車ではまだマシな場所だと思う。近くの誰かが降りてくれれば、座席の正面組にランクアップすることも可能だからね。

その次、下から2番目の地位は、ドア横、ドア正面の辺りじゃないかな。そんなに混んでない電車なら、寄りかかれるドア横は人気のスポットだけと、満員電車ではそうはいかない。ゾロゾロと押し入ってくる乗客の波に押されて、あっという間に奥へ流されてしまう可能性が高い。

最下層は、ちょうどドアとドアの間の広くなってる場所。ここは一番人がゴチャゴチャして狭いし、人が乗り降りするたびにあちこちから押されるし、つり革が地味に少ないので掴まれない可能性もあり、しかも座席に座れる可能性は皆無に等しい。できるだけ意識的に通路の方へ移動していきたいものだ。

と、ダラダラとどうでもいいようなことを書いてきた訳だけど、今日僕が言いたいのは、上から2番目の地位である「座席前のつり革に掴まっているとき」に、荷物を網棚に乗せるのか、それとも乗せないのか、僕はいつも迷ってしまうということなのです。いいですか。確かに荷物を網棚に乗せれば非常に楽だ。片手でつり革をつかみ、片手でスマホをいじることもできる。しかしその場合、もし目の前の座席が空いたとき、座る前に網棚から荷物を降ろす一瞬のスキが生じてしまうのだ。

もし、立っている乗客それぞれが、座席に座る人たちの真正面に位置しているのならそれでも大丈夫だ。網棚から荷物を降ろしていても、さすがに横に立っている人に座られてしまうことはないだろう。(↓こんな感じ)

だが、もしも立っている乗客の立ち位置が、ちょうど座席に座る人と人の間に位置していたら?(↓こんな感じ)

このケースで目の前の人が降りた場合、自分と座席までの距離、隣の人と座席までの距離は同じくらいになり、コンマ一秒の戦いが繰り広げられることになるのだ。その時、もし自分が荷物を網棚に上げていた場合は、非常に苦しい戦いを強いられることになる。うまい具合に隣の人をブロックしつつ、迅速に荷物を降ろさなければならないのだ(というかそんなことをされたら割と不愉快だ)。

という訳で、網棚に荷物を乗せるべきか悩むなーと、思いましたというお話です(それだけか!)。

 

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